ハーレーダビッドソンミュージアム #119

1973 XL-1000 SPORTSTER OHV V-TWIN

HD社が買収されてから数年後、AMFは組立工場をペンシルバニア州のヨーク市に移転します。
ヨーク工場では1972年モデルのスポーツスター用のフレーム製作から開始したところだったのですが、この決定を経て、操業開始の翌年には全てのモデルの組立工場となりました。
ヨーク工場には最新の生産技術が投入されましたが、多くのファンや従業員たちはHDの故郷のミルウォーキーからの移転に対して否定的・悲観的意見を持つ人が多かったそうです。
今となっては撤回されこそしましたが、逆にヨーク工場が閉鎖の憂き目に会うところまで行きましたし、「最新の生産技術」の賜物がAMFハーレーの品質の悪さ、と言うのは因果なものを感じてしまいます。

ちなみにこの展示車両はかつての創業家社長のジョン・A・ダビッドソンの所有だったそうです。
この車両はヨーク工場ではなく、Jeneau Ave, すなわちミルウォーキー工場で最後に生産されたものです。
と言うくだりも、今のビューエルと重なってしまいます。
車両の特徴は初のフロント「油圧」ドラム、一体化スピード・タコメーター、マットブラック塗装プライマリーケース、です。